場面緘黙と、これから

場面緘黙症だった頃の記録を綴っています。

高校入学後

高校は周囲から通信制に行くことを勧められたけど、普通校に行くことに決めました。

高校に行ったら話すんだ。普通になるんだ。

そんな思いが強かったので、通信制高校という選択肢は自分の中にはありませんでした。
今考えると通信制を選んでいたほうが無理なくステップを踏めるので緘黙の治療には良かったのかもしれません。

県立高校に進学し、最初の難関は入学式でした。
新入生の名前が一人ずつ呼ばれ返事をしないといけなかったのです。
一言、「はい」と言うだけ。
それだけのことに心臓がバクバクでした。

皆が平然と返事をしていく中、私の名前が呼ばれます。
私一人だけ「はい」の返事が明らかに変でした。
緊張で声が上ずり妙に甲高い細い声で、「はい」というより「ひい」みたいな声がでました。
他の子はしっかり返事をしていたので、元々の自意識過剰さも合わさってすごく恥ずかしかったですね。

第2の難関は教室に戻った後の出席確認。
こんなことにすら心臓ドキドキ。
担任の先生が「明るい元気な声で返事してね」と言ったので、さらにハードルが上がり緊張する自分。
私の名前が呼ばれ、今度は声が上擦らずちゃんと「はい」と返事ができました。
だけど、声が小さかったのが自分でも分かりました。
先生に「大丈夫か?元気よくね!」と言われ、少し落ち込みました。

話すこと以前に、普通に声をだすことすら難しい自分がショックでした。

こんなんじゃ周りから変な子だと思われる…
高校に行ったら普通にできると思っていたのに、何で出来ないんだ!

と自己嫌悪していました。